荒川: |
和牛ステーキと2杯目の日本酒が来ました。 後半戦スタートということで、あらためて乾杯! おっ!このステーキ、めちゃくちゃ美味しんですけど。 |
池田: |
荒川くん、このお店お肉も新鮮で美味しいから、どんどん食べてよ。 僕はもっぱらこっち(日本酒)だから。 ※池田部長はコスモストーク日本酒の会、会員です。 |
【前編からの流れ】
前編では池田部長のこれまでの経歴について聞いてきました。
20年以上企業向けの基幹業務システムを開発していたこと、
アメリカで発表されたばかりの言語(Java)で日本初の業務システムを完成させたこと。
それ以降も、Web(EC)での集客について課題を見出し、そこで「データマーケティング」に出会い、
「深層学習」へと最先端技術への挑戦は続いています。
次なる「深層学習」という高い壁を前にして、なぜだか楽しそうにも見える理由。
インタビューから垣間見えたのは、「相手を知ること」という一貫したポリシーでした。
そして今回「深層学習」って何?という疑問に図解で分かりやすく説明してもらいます。
最先端技術の難しい話かと思いきや、発想のスタートは私たちの「脳」だった!?ということで、
実に興味深いものでした。
「AI」と「深層学習」って同じもの?別のもの?
意外に長ーい、人と「AI」の歴史
荒川: |
後半は「深層学習」について、聞かせてもらえればと思います。 まったくの素人の質問になってしまうのですが、 「AI(人口知能)」と「深層学習(DL)」の違いって何ですか。 自分のイメージだと一緒のものっぽい。言葉として違うので同じではないとは思うのですが。 |
池田: |
まず「AI」って歴史は意外と古くてね、僕が産まれる前の1950年代に すでに迷路を抜ける「AI」が開発されていたくらい。 そもそも「AI」の定義が「自立思考型で人のように振舞う」 「自分で判断して(考えて)、答えを出す(行動する)」ということだから、 そういう目的を実行できるシステムなんかを60年以上前から、いろいろな人が開発し続けていて、 今に至っていて、その延長線上で開発された技術が「機械学習(ML)」で、 その後「深層学習(DL)」が技術として開発されたという流れがある。 だから、「機械学習(ML)」も「深層学習(DL)」も「AI」技術の1つということになるね。 |
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「機械学習(ML)」と「深層学習(DL)」の違いって何?
たくさんの経験をさせて、育てる「深層学習」
荒川: |
「AI」という言葉は、少し前から映画の題材として扱われてたり、最近では毎日のように 見聞きしますが、そんなに歴史があったとは。 池田さんのイラストによる解説、社内の会議でもたまに見る機会がありますが、 やっぱり分かりやすいですね。 じゃあ、また次の疑問が出てきますね。 「機械学習(ML)」と「深層学習(DL)」の違いについて、教えてください。 |
池田: |
少し前に「グーグルのAIが動画を見てネコの概念を学習した」というニュースが話題になっていたから、 ネコを例にして説明すると、まず「機械学習(ML)」でネコだと理解させるために 何をやっているかというと「ネコの画像」と「ネコの特徴」を沢山集めて、 これが「ネコ」だという情報として、システムに教えてあげるということをする。 正しい情報を沢山与えて学習していって、人間が決めた特徴例だったり正しい情報をもとに、 統計学的な確率として、95%の確率でこれは「ネコ」だという答えを出してくる。 要は正解を人が教えてあげているわけ。 |
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荒川: |
ここまでは理解できました。次は「深層学習(DL)」について教えてください。
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池田: |
「深層学習(DL)」の場合は、ネコの写真や、ほかの生き物なんかの写真を大量に見せて、 システム自身が自ら「ネコ」だと判断させるやり方だね。 ネコの特徴は何かを自分の力で考えさせることをする。 さっき説明した「機械学習(ML)」みたいに、正解というものは教えないの。 |
荒川: |
え!?それでどうやって「ネコ」って判断するんですか? 「ネコ」の答えに至るプログラムの処理はどうなってるんですか? もう付いていけなくなってきたかな汗 |
池田: |
じゃあ「機械学習」にもう一度戻って、「深層学習」と何が違うか比較してみようか。 「機械学習」の場合は1つだけ「学習プログラム」を用意して、正しい情報をもとに 統計学的なアプローチで正解に近いパーセンテージのものを「ネコ」と判断させる。 一方、「深層学習」の場合は2つのプログラムを用意する。「学習プログラム」と もう1つ別に「推測プログラム」を用意する。 この「推測プログラム」を使って、自分で特徴を見つけ出させるという違いがある。 まずは違いについては理解できたかな? |
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荒川: |
はい、「深層学習」には「推測プログラム」という「機械学習」にはないプログラムが 別にあるという違いは分かりました。 では次に「推測プログラム」がいったいどうなって、 自分で「ネコ」の特徴を見つけ出すことができるのかを教えてください。 |
池田: |
実はね、システムの中で何をやっているかはわからないんだよね。 結果としてこういうものが出ましたとしか言いようがなくて…。 |
荒川: |
え!!何をやっているかわからないんですか!? それじゃあ、間違った結果が出た場合、どうやって修正をかけていくのですか? |
池田: |
「深層学習」の場合はプログラムを修正することはせず、失敗した処理もそのまま残して、 与える情報を追加していく。 要は、経験をどんどん増やしていくんだね。 例えば、「ネコ」を「パンダ」だと判断してしまったら、 また別のデータや、違うタイプのデータを与えてみる。 何がダメだったんだろう、「ネコ」を判断させるために、他に何が必要なんだろうと考えながらね。 |
荒川: |
通常、システム開発する場合、目指す結果があって、その結果を出すためのプログラムを書きますよね。 結果が違ってしまった場合、プログラムを修正して、OKがでるまで何度も修正していきますが、 「深層学習」の場合は間違ったりしたことも、経験値として活かされることもあるということですか。 |
池田: |
そう、だから根気よく、何度も試行錯誤を繰り返していく作業が必要になる。 イメージとしては人間の赤ちゃんを育てるようにというか、脳にいろいろな経験をさせて、 2、3歳くらいの子供の脳に育てるという感じだね。 |
荒川: |
最先端の技術でも、実際はかなり地道な作業が必要になってくるのですね。 これで、大枠というか概念は理解できました。 でもやっぱり、まだまだ良くわかりません。やっと輪郭が見えてきたくらいです。 通常はプログラムによって全ての処理を指示しますから、 システムが自ら学習するということがイメージできないですね。 |
池田: |
ふふふ笑、そうだね、これまでの概念で考えてしまうと理解ができないかも。 そもそも、ディープラーニングの技術って、人間の脳で行われる処理を模して 数式で表現したものなんだよね。 |
荒川: |
おっ、なんだかAI(人口知能)っぽい話になってきましたね。
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池田: |
ちょっと楽しくなってきたでしょ。
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「AI(人口知能)」の技術は、人間の脳がお手本だった!?
池田: |
今日は小難しいことは置いておいて、まずは興味をもってもらえるといいかな。 ところで荒川くんは「ニューロン」って聞いたことあるかな? |
荒川: |
はい、生物の授業とかで聞いたことがありますね。脳の神経でしたっけ?
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池田: |
そう、人間の脳の神経細胞で「ニューロン」っていうのがあるんだけど、 その仕組みを真似て、手法として落とし込んだもので「パーセプトロン」というものがある。 どういう仕組みかというと、「ニューロン」は、音や光や色、感覚なんかの信号を受け取って、 内部で別の信号に変化さたり、伝達したりして、最後に認識したり知覚ということをするんだけど、 その仕組みを模した「パーセプトロン」は、 与えられたデータをまず入力して、それからなんらかの処理をして出力するというものになる。 構造としてはとてもシンプルなものだね。 |
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池田: |
そこからさらに進歩して、「ニューロン」と「ニューロン」が脳の中で神経どうしが繋がって、 相互作用するように、複数の「パーセプトロン」を接続し、 多層化したものが「ニューラルネットワーク」とよばれるもので、AI技術の基本となっている。 近年、コンピューターの処理能力が格段にあがったことで、ニューラルネットワークの層を大幅に増やすことができるようになって、 下火になっていたAI技術が飛躍的に進んで、最近の流れになっているんだよね。 |
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池田: |
ではでは、この辺で最初の「ネコ」の話に戻して説明をすると、 大量の画像データの中から「ネコ」特徴を各層で自動的に見つけ出して、 そうでないものの「特徴」もつかんで、相互作用で自ら考え「ネコ」という概念を作り出し、 結果「ネコ」を識別することができたというわけ。 |
荒川: |
う~ん、なるほど。やっと理解できました。 まだまだ専門的な深い話はあると思いますが、「深層学習」が何かということはわかったと思います。 今回の説明を聞いてみて驚いたことは、 自分がやってきたシステム開発にはない、まったく別の新しい概念だったということです。 求める結果は同じでもアプローチがぜんぜん違う。 失敗も経験になって、それによって結果が導きだされるなんて、まるで人生みたいな笑 それにしても、「深層学習」の技術の発端が本当に人間の脳をヒントにしているなんて、壮大ですね。 |
池田: |
そうだね、当初はSF的な発想だったかもね。 現在やっと、囲碁AIのAlphaGo(アルファ碁)や自動運転技術など 身近なところで実用化されるようになったけど。 この技術で不可能とされていたことが可能になることもあるし、 様々な課題を解決することもできるようになっていくと思うよ。 |
次回「後編」では、さらに「深層学習」の未来についても聞いていきます。
どんな可能性があって、何かできるようになるのか。
一方どんな課題を抱えているのか。
そして、池田部長の今後のテーマも決定します!
PROFILE
★インタビューされる人
池田 勲(いけだ いさお) 山口県出身
コスモストークシステム2部 部長
最先端の分野で、当社の技術力を牽引しているエンジニア。
確かな技術力で、常にお客様から現場まで、
高い評価と信頼を得ている。
現在はAIの発展で注目の技術『深層学習』の分野で活躍。
コスモストーク日本酒の会、会員
(自称:会長ではなく、お会計担当)
★インタビューアー
荒川 智(あらかわ さとる) 横浜市出身
コスモストーク次世代ホープ(!?)
金融系業務システムで長年経験を積み、
さらなるスキルアップを目指し2015年に入社。
入社後も金融系システムで直接ユーザーとの折衝から
開発実装・運用までを担当。
2018年10月からは、これまでとは違う環境
(オープン系・業務システム)で上流工程経験を積むべく、
新たなプロジェクトに参加。
SHOP DATA
いろにしき
千代田区神田の小川町駅近く、
コスモストーク日本酒の会、会員の池田部長のために、
日本酒の種類が豊富で、新鮮なお肉とお魚が食べられると
評判のお店「いろにしき」で行われました。
東京都千代田区神田錦町1-14-11
バリュー神田ビルヂング 1F
都営新宿線 小川町駅 B7番出口 徒歩1分
地下鉄千代田線 新御茶ノ水駅 B7番出口 徒歩1分
地下鉄丸ノ内線 淡路町駅 B7番出口 徒歩1分
都営三田線 神保町駅 A9番出口 徒歩5分
03-5577-2229
いろにしき
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<2杯目 池田セレクト> 日本酒:大倉@奈良 乾杯メニュー:和牛ステーキ お肉料理には、濃醇で骨太な、酸味があるものでチョイス、 山廃仕込みがうれしい 幸運なことに、口開け。香りがとても良い。 |