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【これまでのの流れ】

前編では常に最先端技術の現場で活躍し続ける理由を
中編では「AI」とは、「深層学習」って何?という疑問についても教えてもらいました。
発想のスタートが私たちの「脳」だった!?ということにも驚き、
「AI」へのさらなる興味と可能性を感じたのでした。

そして今回「深層学習」の未来について、さらに詳しく聞いていきます。
より身近なものになってきた「AI」によって実現可能な未来とは?残されている課題は何か?
今回とうとう完結編!コスモストークのオフィス近く、神保町界隈を散策しながら、
大いに語ってもらい、池田部長の今後のテーマについても決定します。

荒川: これまで池田さんの経歴についてや、
「AI」分野の「深層学習」という新しい概念の開発技術についても聞いてきました。
今日は「後編」、最終回ということで、対談場所が会社近く、
日本屈指の古書店街「神保町」を散策しながらということになりました。
聞いたところによると、池田さんは時々このあたりの書店で技術書を買っているらしいですね。
私はもっぱら、有名老舗飲食店の行列に並んでいますが笑
 
池田: 会社に戻った時に時々ね、大型書店の技術書コーナーは一応覗いてみるかな。
数学の参考書も買えるしね。
今はネットでポチッとすれば次の日には届けてくれるけど、
どうしても実物を見てから買いたくてね。
そうそう、神保町は本も有名だけど、カレーにラーメン、餃子にコーヒー、
飲食店も個性的でここでしか食べられないものが沢山あるね。
 

昨今の「AI」事情って? / 近い未来、「AI」によって映画や漫画の世界になる!?

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荒川: 「AI(人口知能)」という言葉、ここ数年でだれもが聞いたことがあるし、
知っているというところまで来ていますよね。
でも実際、どんなものなのかということは分かっていなくて、
言葉が一人歩きしているのではないかと思います。
また素人の質問になってしまいますが、ズバリ!「ターミネーター」とか「アトム」、
「ドラえもん」とか、近い未来に出来てしまうくらいまできているのですか。
前回の「深層学習」のお話からすると、まだまだ遠い先のことに思えましたが。
 
池田: 正直、「AI」技術はまだそこまでは達していないというのが結論になるね。
「アトム」とか「ドラえもん」とか、SF的で近未来的なことを想像するとワクワクするよね。
でもその一方で、「AI」が人間の能力を超えるとか、
そのことによって自分達の仕事も奪われてしまうんじゃないかという脅威を感じたり、
ネガティブな情報も溢れているから、僕らのようなエンジニア職の人間だけでなく、
世間の人たちの関心は高いよね。
 
荒川: 現時点での「AI」の現状ってどうなんでしょう。
 
池田: 特定された分野での処理能力はかなり進んでいて、
人間よりも優れた成果を出すこともできるようにはなったよね。
囲碁AIのAlphaGo(アルファ碁)が、世界トップ棋士に勝利したことがわかりやすい例かな。
あとは自動運転技術もそうだね。人間よりも安全運転ができるということなんだから。
現在の「AI」をものすごく平たく言うと、現状3歳児くらいの子供の脳をまねるのが
精一杯というところ。
車が好きな子供が、赤い車を見たとして、消防車と普通の自動車との区別はできるよね。
 
荒川: はい、そこは間違えないでしょうね。
大人顔負けで、メーカーや車種まで詳しい子供もいたりする。
 
池田: そうだね。特定の分野だと、子供でもすごく複雑な特長も判断できて詳しいし、たくさん知識も持てる。
でも大人と子供とで大きく違うところって、大人は社会性があるとか、
それこそ空気を読めるとかというところだったりする。
大人のように、まぁ個人差はあるだろうけど(笑)、空気を読んだり、自ら学んだり、
意思の決定ができる「AI」を「強いAI」とか「汎用人工知能」と呼んでいて、
対義語としてというか、逆のもので、特定の作業や業務しかできないものを「弱いAI」とか、
「特化型人工知能」とかという言い方をするんだ。
 
荒川: すでに実用化されている「AI」はまだ「弱いAI」ということですよね。
 
池田: そう「弱いAI」。「強いAI(汎用人工知能)」に辿り着くまでに、
まだまだ乗り越えないといけないたくさんの課題があるんだよ。
 

 
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実用化が進む「弱いAI」/
研究段階にある「強いAI」に必要なことって?乗り越える課題も見えてきた!?

池田: 現状で実用化されている「AI」、いわゆる「弱いAI」について、もう少し詳しく説明すると
「画像認識」、「音声認識」、「自然言語処理」と大まかに3つに分類するんだけど、
そうだなぁ、僕が今関わっている「画像認識」分野で、少し踏み込んで説明してみようかな。
 
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池田: 「画像認識」で実用化が進んでいる分野で分かりやすいところだと、やっぱり医療の分野かな。
レントゲン画像を認識して、人間の目では探しきれない病気を見つけることが
実務レベルで出来るようになっている。
あと、セキュリティ分野で、監視カメラの映像から一人の人物を特定できたりと、
すでに高い実務レベルで活用されているんだ。
 
荒川: そういう分野であれば、人間の能力を超えてくるだろうということは想像できますね。
 
池田: じゃあこれから、本当の医師に代わる、「強いAI」をつくるとなると、
医師のこれまでの経験則からしか見つけ出せないような病気もたくさんあるわけだから、
その医師の経験や知識のすべてを言語化したり、画像化するなりして、余すことなく、
データ化することをしなければいけない。
 
荒川: 「画像認識」で人間より勝っても、「強いAI」への段階にはほど遠いですね。
確かに、その人のこれまでの経験や感覚だったり、具現化できないような曖昧な部分も含めて
一人の医師を形成しているわけですからね。
それは本当に難しそうだなぁ。気が遠くなりますね。
これがまさに「AI」の課題ですね。
 
池田: そう、それも大きな課題!
さらにもう少し突っ込んで考えてみると、別の課題も見えてくるんだけど、わかるかな?
 
荒川: うーん、、次の課題かぁ。
膨大な情報をデータ化することで、すでに頭がいっぱいで、次の展開が思いつかないですね。汗
 
池田: 「強いAI」を作る上で膨大なデータを集めることも、必要不可欠なことだけど、
そのデータを利用してある答えを導きだしたとき、
答えがわかっても、そこまでに至る過程が複雑になりすぎて把握しきれず、
理由が分からないという場合がでてくる。
 
荒川: それは前回教えていただいた、深層学習技術で「ニューラルネットワーク」が多層化して
複雑な相互処理をしているからですね。
データが増えれば増えるほど、複雑になり、経緯を追うのも困難になる。
 
池田: そうそう!荒川君も「AI」について分かってきたね!
膨大なデータによって出された「AI」の答えに対して、根拠が不透明だと、
業種によっては導入が難しい場合も出てくる。
これについては「ブラックボックス問題」と呼ばれ課題となっているんだけど、
一方で「ホワイトボックス」といって、その答えに至った根拠を
分かるようにしようという技術も開発されているんだ。
 
荒川: 使う側の立場によっては透明性があり、信頼できる「強いAI」でなくてはいけないでしょうね。
技術が進むほど、想定外の問題も出てくるでしょうね。課題はつきなさそうだなあ。
となると、「アトム」とか「ドラえもん」の登場はもう少し先の未来になるのでしょうか。
 
池田: そうだね、まだしばらくは時間がかかるだろうね。
でも、 悩みを一気に解決できるような、画期的な何かが出てこないとも限らないよ。
今じゃ世界中の国や人、企業や大学、研究機関が一生懸命取り組んでる分野だからね、
 
荒川: 池田さんも、その中の一人ということですね。
 
池田: いやいや、おこがましい。
でも常に乗り越えたい壁があることは、これまでのエンジニア人生を振りかえってみても
運がよかったと思うね。
 
荒川: そうなんでしょうね。池田さんいつも楽しそうに仕事しているように見えますから。
 
池田: あれ、そう??これでもけっこう大変だなぁと思ってやってるんだよ笑
 
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今回のインタビュー企画、どうでしたか?/池田部長の異色の経歴が明らかに!?

荒川: 今回の企画で、池田さんのエンジニア経歴の話から始まって、「AI」に至ったまでのお話、
そして「AI」技術の仕組みと、現状や未来について、仕事とは言え本当に面白かったです。
もちろん勉強にもなりましたが。
 
池田: 面白かったなら、僕としてもうれしいな。
普段の仕事では「AI」のことを説明したり、自分の経歴を1から振り返ることって、
あんまりないからね。
ただただ、一歩ずつ歩いていたら随分遠くまで来たなというか。
あー歳取っちゃったなぁ、、みたいな。
でも、僕としても今回の企画は面白い経験でしたよ。
 
荒川: 歳をとったですか笑
でも、エンジニアとして、池田さんは目指す姿の一つであると改めて確信しました。
誰もが目指して、真似できることではないという難題ではありますが。
 
池田: いやいや、そんなことないよ~。
「線形代数(せんけいだいすう)」が少し出来ればOKだよ。
 
荒川: その「せんけいホニャらら?」が難関なんですよ苦笑
AIとか深層学習とかをやりたい場合、やっぱり理系で数学が得意でないと難しいのでしょうか。
 
池田: う~ん、もちろん数学方面の適正はあった方がいいのだけれど、
それよりもっと必要なのは、相手が何を求めているのか慮れる(おもんばかれる)かどうかということ。
それが出来れば、エンジニアとして適正があると言えるね。
だから、飲食店で働いてましたとかって言う人、エンジニアに向いてると思うよ。
僕がそうだし笑
 
荒川: そう言えば、池田さんは調理師免許もってましたよね!
エンジニアをやる前は料理人でしたっけ?
 
池田: 実は大学を途中でリタイア、、元々システム屋になるつもりではいたんだけど
まずは大学に入りなおそうと思って上京したんだ。
それが、アルバイトでレストランに入って、あれよあれよと店長になったんだよ。
ホールから始まって、調理もしてたね。
でも、当時はエンジニアになるのは25歳までっていうのがあったから、
「もうそろそろ、やらないと!」と思って、そこは辞めたんだけど。
今にして思うと、そこでのお客様対応で接客スキルを身につけたのかもね。
 
荒川: エンジニアとしては異色の経歴ですね。
学校を出て、そのままSEとして企業に就職してという通常の流れとはかなり外れていますね。
でも、飲食店の店長までのぼりつめて培ったコミニケーションスキルが
池田さんの最強のスキルということですね。
 
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そんな池田部長の今後の目標とは?

荒川: では、最後に「池田部長の今後の目標」を決めたいと思います。
 
池田: うーん、どうしようかなぁ。
これからやってみたいことだよね?
 
荒川: えー、実はですね、今回の企画の途中から、
僕の頭の中では池田さんにやってほしいことが浮かんでいまして。
是非、それを目標にしていただけないかと。
 
池田: えー、なんだろう? 自分としては、深層学習を需要予測の技術に活かして、
デジタルマーケティングの分野を深めたいというのがあるんだけど…。
 
荒川: それはもちろん、やってください!って厳しいですかね笑。
それともう1つ池田さんには大事な課題がありますよ。
今回の企画で教えていただいたことって、池田さんのほんの一部だと思うんですよ。
それでもすごい技術と経験を持っていると思ったし、僕が今回した経験を他の社員にも
共有できればいいなぁと思っていました。
それで、最終目標は、この技術と知識を受け継ぐ後継者を育ててほしい。
 
池田: それは上司として、部下を育てることと、あとは先生みたいな感じのことでもあるのかな。
荒川君の話から、そんなイメージが湧いたんだけど。
 
荒川: あー、まさにそうかも知れません。
うちのエンジニア社員は、それぞれがお客様先のプロジェクトに入っているから、
全員が池田さんに毎日ついて技術を教えてもらうことは難しいですよね。
そうだな、だからイメージとしては時々塾に来て、勉強を教えてもらうような
そんなやり方も有りですね。
 
池田: 塾ねぇ、、それは池田塾??
 
荒川: 池田塾!それイイですね、是非お願いします。
じゃあ池田さんの今後の目標は『池田塾開校!!』ということでお願いできればと。
 
池田: なんかキレイに決まってしまった感じだなー。
よし、じゃ『池田塾』開校しましょう!!
 
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最後に、池田部長に『最先端技術に挑み続けるモチベーションって何ですか?』と尋ねたところ、
いつもの軽妙な感じで『そこに山(課題)があるから登る。その連続ですよ。』とのお答え。
『池田塾開校!!』の山(課題)も登ってくださいね~。
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PROFILE

★インタビューされる人
 池田 勲(いけだ いさお) 山口県出身

コスモストークシステム2部 部長
最先端の分野で、当社の技術力を牽引しているエンジニア。
確かな技術力で、常にお客様から現場まで、
高い評価と信頼を得ている。
現在はAIの発展で注目の技術『深層学習』の分野で活躍。

コスモストーク日本酒の会、会員
(自称:会長ではなく、お会計担当)

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★インタビューアー
 荒川 智(あらかわ さとる) 横浜市出身
 コスモストーク次世代ホープ(!?)

金融系業務システムで長年経験を積み、
さらなるスキルアップを目指し2015年に入社。
入社後も金融系システムで直接ユーザーとの折衝から
開発実装・運用までを担当。
2018年10月からは、これまでとは違う環境
(オープン系・業務システム)で上流工程経験を積むべく、
新たなプロジェクトに参加。

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